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研究紹介:初期宇宙

  • 佐野 有里紗
  • 2019年4月10日
  • 読了時間: 3分

こんにちは、M2の佐野です。

最近寒暖差が激しく、それにまんまとやられかけてます。

さて、今回は初期宇宙についてお話していきます。

宇宙はビッグバンから始まったと聞いたことのある方は多くいると思います。

イメージとしては、

すごい爆発が起きて、そこからどんどん広がっていって・・・

実は、このイメージは少し異なります。

ビッグバンというのは、ものすごく熱かった状態のことを指しているので、

私たちがイメージする爆発とは違うのです。

まあ、それでもビッグバンから始まったならいいじゃないか!

と思われるかもしれませんが、

そうすると色々な問題、矛盾点が生じてしまいます。

例えば、

観測から現在の宇宙は、曲がっていないほぼ平坦な時空です。

しかし、なぜそうなのかという根拠はどこにもありません。

これを「平坦性問題」といいます。

また、現在の宇宙は一様等方であり、

どこの温度を測っても、そのずれはかなり小さく10の-5乗です。

ただ、今の膨張速度のまま宇宙が始まったとされる138億年前に遡ると

宇宙の大きさは因果関係がもてないほど大きいものになってしまいます。

つまり、昔は情報交換ができないほど遠くにいた者たちが

今観測してみると、同じ情報を持っているということになります。

イメージとしては、あるマンション全ての部屋の夕飯が同じカレーだなんてことは

偶然でもなかなかないですよね。

逆に、夕飯前にお互いが示し合わせていれば、同じだと言っても不思議ではありません。

これを「地平線問題」といいます。

その他にも様々な問題がありますが、これらをどうしたらよいのか。

そこで、ビッグバンより以前に急速な指数関数的加速膨張を仮定しました。

これを「インフレーション」といいます。

そうすることで、

例えば平坦性問題に関しては、

初めがどんな形の宇宙だろうと、ものすごい膨張によって平坦になったとすればよく、

地平線問題に関しては、

最初に因果関係を持っていた領域が、

インフレーションによってものすごく引き伸ばされたと考えれば

解決することが可能です。

しかし、このインフレーションは未だに決定的な証拠は見つかっていません。

なので、一般的にはあまり知られていないのかもしれませんね。

このように、宇宙の始まりというのはわからないことだらけです。

たくさんのモデルなどはあるものの、観測技術が追い付いていないこともあり、

決定的な証拠を見つけることができずにいます。

しかし、前回のブログでもありましたが、

近年重力波が見つかったことにより、

宇宙初期の情報も得られる可能性が高くなってきました。

これからの動向に乞うご期待ください!

ひとまず、今回はここまで。

次回もお楽しみに!


 
 
 

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