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久々に数理物理班です。

7月も中旬に差し掛かってきましたが、今日も今日とて雨、なかなか梅雨明けしませんね。これはエルニーニョ現象によるものなのでしょうか。なんとなく雨だと気持ちが落ちこんでしまうので早く青空が見たいものです。

前置きが長くなりました、数理物理班です。今回は前回の続きとして久しぶりに研究紹介をしようと思います。

みなさん、この画像を覚えていますか。前回のブログでは、このセーターのようにマクロな視点では連続に見えているものでも、拡大してミクロな視点で見てみると、離散的(とびとび)になっているかもしれないという話をしました。そして、これは時空そのものについても言えるかもしれないという話でしたね。今回は、その第一歩として、微分方程式の離散化について紹介していきたいと思います。

なぜ微分方程式を考えるのでしょうか。物理の目的は、現象を数式で表すことです。微分方程式を解くことで、その現象を表す数式を得ることができます。これが、物理学において微分方程式を扱う理由の一つです。

離散化された時空における物理現象を知りたければ、この微分方程式を離散化する必要があると考えました。

それでは、具体的に微分方程式の離散化を考えていきましょう。

みなさん、この微分方程式に見覚えあるでしょうか。

これは、調和振動子(単振動)を表す微分方程式です。高校物理でもお目にかかったことがある人は多いと思います。ちょうど、こんな感じの振動です。

では、どのような形にすれば離散化されたことになるのでしょうか。

離散化の方法はいくつかありますが、その答えのうちの一つが以下のようなものです。

なんだこれ...と思われた方も多いかもしれません。

重要なことは、「漸化式」の形に書き換えたということです。(正確には保存量と呼ばれる量を離散化したものですが、調和振動子の離散化の式には違いありません)

ここで、漸化式とは、

このような形で、ある数列のn番目の数とn+1番目の数の関係を表すものです。n番目の値がわかれば、n+1番目の値がわかるという論法になっています。

つまり、微分方程式の離散化とは、微分方程式を漸化式(今後差分方程式と呼びます)に書き換えてしまおうということなのです。

では、このように書き換えると何が変わるのでしょうか。それは、この微分方程式の解と差分方程式の解をグラフにしてみるとわかります。

このグラフは具体的にδなどの文字に数字を入れたグラフで、黒い線が微分方程式の解、赤い点が差分方程式の解です。微分方程式の解は連続なのに対し、差分方程式の方はとびとびの値を取っていることがわかります。このように差分方程式の解がとびとびの値をとることが空間を離散化するということにも繋がっていくのです。

実はこの離散化には様々な制約があり、可積分性やゲージ不変性など考えなければいけないことが多くあり、私自身まだまだ勉強中です。

次回は、これが時空の離散化にどう繋がるのかを話していきたいと思います。私は去年、時空の離散化の計算等は行っていないのですが、先輩の研究を追いかけた時の話ができればと思います。長々とお付き合いいただきありがとうございました。


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